◆自らの米作りから手掛ける酒蔵 ・・・東魁盛(千葉県・小泉酒造)の挑戦 その2(造りのことなど)・・・  代表理事 利酒師 中小企業診断士 宮坂 芳絵

ご縁があって、ご紹介することとなった東魁盛(とうかいざかり)。前回は、蔵の概要を掲載いたしましたが、今回は、すこし「造り」のお話を。

 

5月初めに、蔵視察に伺って感じたのは、淡々とお話しされる中に、お酒づくりへの愛情があること。そして、話の端々から出る「研究・学び」という言葉に、美味しいお酒を作ろうとする蔵人の心意気と誇り。美味しいお酒を醸したいという想いがあふれていて、うれしく感じました。そして、今年の全国新酒鑑評会は、「金賞」! 新酒の鑑評会は、酒づくりの「技術」を競うもの。基本がしっかりできていることが証明です。この「基本をしっかり」がお酒造りには本当に難しいのです。
ちなみに、現在小泉酒造の仕込みは、200~250石。まだまだ知られていないけれど、その美味しさは折り紙付きです。

 

蔵訪問に伺った際、「マニアックすぎるのですが・・」と、はじめにお話しされたのが、タンクの修理のこと。(いろんな蔵に伺っていますが、その話から入られたのは初めてかも?)でも、実はこれってすごく重要。実は、ひび割れやホースを変えたり、などのちょっとしたことがお酒に影響するのが醸造酒だからです。仕込み中、かい棒でかき混ぜるのですが、タンクがちゃんとしていないとダメなお酒に。専務は「日本酒は基本は生物の管理なので、錆は絶対にアウト。そして、衝撃にも弱いから、ひび割れも必ず確認するのです」とお話しされていました。

 

現在、酒造りに携わるのは3名。先代から酒づくりを引き継ぎ、今試行錯誤中。山廃造りや斗ビン取など、20種程度のお酒の酒類があります(梅やゆずなどのリキュールもあります)。現在、造りの方向性として、「山廃系」のお酒を全面に出そうか、香り高い吟醸系のお酒を前面に出そうか・・と悩んでいるそう。(ちなみに、5月21日の試飲会では、斗ビン取り純米が人気。人気が分かれたのが、夏の生。アルコール13%で少し酸を利かせたものでした。ちなみに、夏の生はキンンキンに冷やして飲むと美味しいです。そして、山廃などは「から揚げに合う」と絶賛する声もありました。)

「酒造りの肝」の麹造りの現場は、思ったよりも広い。麹づくりは、基本的に手作り。専務は、「人間が五感と経験を通して感じる情報が重要」であるとお話をされていました。

専務は、「のみあきしない、きれいなお酒」と言われたいと考えています。
お酒の酵母は「K1801」「K1401」が基本だそう。
そしてお米は、「山田錦(兵庫県)」と「五百万石(自家栽培米)」です。そして、もうひとつ本醸造は千葉県の“ふさおとめ”を使っています。ちなみに、先の試飲会では、米別ですと自家栽培米の五百万石が基本的には人気でした。先のブログで「米から栽培する蔵」であるという特徴をお話ししましたが、お米にこだわりがある分、小泉酒造の五百万石で造られたお酒は、味わいが深いな・・・と思っていました。

現在、都内で、東魁盛が買えるのは、みつい酒店(台東区)のみですが、機会があったら是非手にとってくださいね。