◆自ら米作りから手掛ける酒蔵
・・・東魁盛(千葉県・小泉酒造)の挑戦  その1・・・ 
代表理事 利酒師 中小企業診断士 宮坂 芳絵

千葉県富津市の小泉酒造様にお伺いしてきました。...
代表銘柄は「東魁盛(とうかいさかり)」。普段は、地元の観光客を中心とした販売しかしておらず、ほとんど知られていないお酒かもしれません。
でも、酒づくりの心意気や学びの努力はすごい。そして、試飲させていただいたお酒の柔らかで深い味わい。連続金賞受賞をしている蔵なのは「なるほど」と感じました。

小泉酒造は、上総湊駅から車で15分程ののどかな場所にある蔵です。近くには、環境省の「平成の名水百選」に選定される久留里の名水が有名であることから、緑も水も豊かな場所だというのは想像できますよね?
創業は、寛政5年(1793年)。「澄んだ空気と清涼な水をたたえながら、湊川のほとりという環境のもと、古き良き伝統、こだわりをもって皆さまに喜んでもらえるお酒を」という考えのもと、酒造りを行ってきました。
そして、小泉酒造の特徴は、米作りからを自ら行っていること。(契約栽培をされているところは多いですが、蔵主自ら米作りから関わっている蔵は、本当に少ないのです!)

当日は、13代目の小泉専務と蔵人の磯部様のお二人にご案内いただきました。

蔵見学は、1.6ヘクタールの自社水田から始まりました。伺ったのは、ちょうど田植えをした後。酒米の「五百万石」を育てているそうです。
専務は、「米作りからやっていると、米の状態が分かる。溶ける米かそうでないのか。酒質にはコメの状態がすごく関わるので、それが分かるのが良い酒を造るのには欠かせない。」と話してくださいました。
トラクターで植えられない場所は、「手植え」だそうです。磯部さんは「これが本当に大変。泥との格闘です。体力が付きますよ~」とのこと。「本当に大変なんだな」という感情が伝わってくる微妙な笑顔でお話しくださいました。
ちなみに、水田にはオタマジャクシやカエルが沢山(←久しぶりに見ました!)。

お酒の仕込みは、9月から3月いっぱい。その後、田植え~品評会などの出品、6月には梅酒づくり、そして8月には米の刈り取り・・と1年があっという間だそうです。
目指すお酒は「のみ飽きしない、香りと味のバランスのあるもの。食中酒が基本」とのこと。
特に専務は「老香(ひねか:日本酒の劣化臭)」には敏感。「造りや保存など微妙なバランスで老香がでる。飲み飽きしない、口あたりの良いスッと入っていくお酒には老香は必要ない。だから、造りにもこだわるのかな」とお話ししていました。

ご多忙の中、快くお時間を下さった小泉専務、磯部様に感謝いたします。
造りのお話は、「その2」で掲載いたします。お楽しみに。